人生の味わい

信仰を持つものは二重の評価を受けることになる。
その結果は四種類になるであろう。

社会も悪いといい神の掟にも背いている場合。
社会はいいことをしているというが神の眼からは罪である場合。
神の前には少しも悪くないが、世間からは罰せられる場合。
社会からも神からもよしとされる場合。
この四つである。

信仰のあるなしによっておもしろくなるのは、中の二つである。
世間から糾弾されてもいないのに、自分で罪だと思うなんて損じゃないの、というのは、人生の味わい方を知らない人の言うことだと思う。
自分が多少いい人間だと思うことも悪くはないが、自分の卑劣さを噛み締めるのも、生きる証である。

          -----曽野綾子著「愛と許しを知る人びと」-----

 

 

 

信仰とはあまり縁がなくても、“神”を自分の“良心”などに置き換えてみると、わかりやすいように思いました

また、自分の悪い所を認め、それが出てこないように工夫し、足りない部分は周囲の人にも援助を求めたいと思いました

                                       オーチマン