ゆるし

ゆるしについてのエピソードをもう一つ、ご紹介しましょう。
これもアフリカの話です。
南アフリカのバベンバ族では、部族の誰かが不正をはたらいたり無責任な行動をとったとき、村の真ん中に一人で座らなければなりません。
もちろん、逃げられないような手だてが講じられます。
村人はみんな仕事をやめ、集まって輪になり、その人を囲みます。
それから、子どもも含めた全員が一人ひとり、その人が過去にしたよいことについて話しはじめます。
その人について思い出せることすべてが、詳しく語られます。
その人の長所、善行、親切な行為などのすべてを、輪になった一人ひとりが、詳しく語るのです。
村人たちは、これ以上ない誠実さと愛を込めて話します。
誇張もでっち上げも許されません。
不誠実な態度や、皮肉な態度をとる人もいません。
その人と共同体のメンバーとしていかに尊敬しているか村人全員が話し終えるまで、この儀式は続きます。
それは数日間に及ぶこともあります。
最後に輪が崩されると、その人を部族に再び迎え入れるお祝いが始まります。
この儀式が美しく伝えているように、愛を中心に考えれば、ただ一体感を取り戻すことと、ゆるしがあるだけです。
輪の真ん中にいる人も、輪になっている人々も、ゆるすことによって、過去や恐れに満ちた未来を手放せるのだと、思い出すのです。
輪の中心にいる人は、悪人というレッテルを貼られて部族から追放されたりはしません。
その代わり、一人ひとりが自分のなかにある愛を思い出し、周りの全ての人と一体になるのです。

                   -----ジェラルド・G・ジャンポルスキー著「ゆるすということ」-----

 

  

 

これだけ愛に満ちた雰囲気があるのですね

この中では、誰かが勝ち誰かが負けるなどがなく、不完全な人間同士が安心して暮らすことができるのだと思いました

オーチマン