ダイアログをどう進めるか

心に思うことを語り、語りの背景にある意味を聴く

ダイアログを実践するにあたって、重要なポイントは、語ることと聴くことのバランスを取ることである。まず、語るというのは主張すればよいということではなく、ありのままに思ったことを話すということである。
その際、「こういうはずだ」といった「べき論」や結論を語るのではなく、経験を語るようにするのがいい。 頭で考えたことを話すというよりも、心に思うことを語るのである。
その際、自分が何のために話しているのかを内省しながら話ができるとよい。 同時に、自分のエゴから話をしないように注意する。 周りの人に優秀だと思われたい、自分の意見を通したい、周りに受け入れられたいという思いではなく、より学ぶために、より理解するために、皆に貢献するために話したいということを自分で確認してから話すのである。

聴く際には、相手の語りの背景に存在する重要な意味を汲み取るようにする。
無駄な発言は一つもなく、すべての発言に洞察すべき何事かがあると考えて、聞き耳を立てるのである。
より深く聴くためには、質問をする。 質問は相手の心の扉をノックするようなものである。 叩き方によっては潜在化していたものが姿を現してくる。
特に、普段話をしない人が発言したときには、表面の言葉の背景に深い意味が潜んでいる場合がほとんどなので、注意したい。
人の話を聴くときに大事なのは、ジャッジする気持ちを止めることである。
人の経験や想いをありのままに聴いて、それに対して判断しないようにする。
無理して質問する必要もない。

                 -----高間邦男著「学習する組織」-----

 

 

 

 

自分が語るときには、何のために語るのかを自らに問い、相手が語るときにはその語りの背景にある意味を聴く

職場や家庭において、とても大切にしたいことだと思いました

オーチマン